放射線施設の設置に関する法的手続き

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作成： 2000/11/13 海老原寛データ番号　　　：040223 放射線施設の設置に関する法的手続き目的　　　　　　：放射線施設の開設時における法的手続きについての解説概要　　　　　　：　定められた数量を超える放射性同位元素や、定められたエネルギーを超える放射線発生装置などを使用しようとする者は、組織・施設・設備等を整え、法律による所定の様式により許可の申請をし、許可を受けなければならない。事業者は放射性同位元素・放射線発生装置等をどのような目的に使用するかによって、規制される法律や主務大臣が異なる。詳細説明　　　　：　放射線を発生するものは法律上、①核燃料物質・核原料物質・原子炉、②放射性同位元素・放射線発生装置、③放射性医薬品、に大別され、規制を受ける法令が異なる。①については「核燃料物質・核原料物質及び原子炉の規制に関する法律」、②については「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」(以下障害防止法と略す)、③に関しては医療法及び薬事法などによって規制される。核燃料物質・核原料物質・放射性医薬品を除く全ての放射性同位元素および診療用を除く全ての放射線発生装置は、放射線障害防止法の規制対象になる。　また、放射性同位元素等を取り扱う者はその形態によって次の4つの区分がある。すなわち、①許可使用者及び届出使用者、②販売業者、③賃貸業者、④廃棄業者に分類され、このうち、届出使用者以外は全て科学技術長官から許可(国立の機関にあっては認可)を受ける必要がある。　　放射線障害防止法による放射線施設とは、使用施設、詰替施設、廃棄物詰替施設、貯蔵施設、機器設置施設、廃棄物貯蔵施設、及び廃棄施設をいう。業務によりこれらの施設を複数設置することが必要となる。　業務区分として、放射性同位元素又は放射線発生装置を使用する許可使用者は使用施設を設置するのは当然であるが、他にも貯蔵施設及び廃棄施設が原則として必要となる。「届出使用者」は機器設置施設が必要であり、場合によって貯蔵施設も必要になる。「販売業者及び賃貸業者」は詰替施設、貯蔵施設、廃棄施設が必要である。「廃棄業者」は廃棄物詰替施設、廃棄物貯蔵施設、廃棄施設が必要となる。それぞれの施設基準は、障害防止法施行規則第14条に細かく規定されている。　　放射性同位元素又は放射線発生装置を使用しようとする者は、障害防止法第3条により文部科学大臣の許可を受けなければならない。許可の申請には障害防止法施行規則第2条に定められている様式第一に従って、氏名、住所、放射性同位元素の種類及び数量、又は放射線発生装置の種類・台数・性能、使用の目的及び方法、使用の場所、使用施設等の位置・構造・設備等を記載する。定型の申請書のほか添付書類としてさらに次の9種の書類のうち該当するものを添えなければならない。　それらは、①法人にあっては法人登記簿抄本、②予定使用開始時期と予定使用期間を記した書面、③事業所内外の平面図、④使用施設・貯蔵施設・廃棄施設を中心に間取り・出入口・管理区域・標識を付ける場所・縮尺・方位を示した図面、⑤遮蔽計算書、⑥自動表示装置又はインターロックの位置図と機能説明書、⑦排気設備の能力説明書、⑧排水設備の能力説明書、⑨移動使用にあっては使用方法と防護方法の説明書、などである。　表示付放射性同位元素装備機器を使用する場合又は密封された放射性同位元素で一定量以下のものを使用しようとする場合は届出だけでよい。届出事項は、障害防止法施行規則第9条に定められている定型の様式第五に従う。また、添付書類として3種の項目のうちの該当するものを添付する。　放射性同位元素を業として販売又は賃貸するときは、障害防止法施行規則第3条に定められている定型の、様式第二に従って申請する。また、放射性同位元素又は放射性同位元素で汚染されたものを業として廃棄する場合は、定型の様式第三に従って申請する。それぞれの申請書には指定された項目について記した書類を添付する。これらの申請書のほかに、施設の使用を開始する前に、事業所ごとに放射線障害予防規定を作成し、文部科学大臣に届出なければならない。さらに、一事業所あたり少なくとも一人の放射線取扱主任者を選任して届け出る必要がある。　また、使用施設等を新設したときは、文部科学大臣による施設検査を受けるために施設検査申請書を提出し、これに合格した後でなければその施設等を使用してはならない。参考資料１ Reference 1：放射線施設の遮蔽計算実務マニュアル原子力安全技術センター参考資料２ Reference 2：最新放射線障害防止法令集第一法規出版(株) 参考資料３ Reference 3：アイソトープ法令集(I)　放射線障害防止法関係法令日本アイソトープ協会参考資料４ Reference 4：改訂3版　アイソトープ便覧 (株）丸善参考資料５ Reference 5：放射線障害の防止に関する法令　概説と要点日本アイソトープ協会参考資料６ Reference 6：放射線概論石川　友清　編 (株)通商産業研究所参考資料７ Reference 7：図解原子力関係法令集鶴田　隆雄　編 (株）通商産業研究所参考資料８ Reference 8：公務員健康安全法令集（財）日本人事行政研究所参考資料９ Reference 9：放射線障害防止法に基づく安全管理ガイドブック原子力安全技術センターキーワード：法律、規則、放射線、障害、防護、労働者、施設、設置、廃止 law, regulation, radiation, hazard, protection, worker, facilities, establishment, discontinuance 分類コード：040107, 040207
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