放射線障害防止に関する主要法令

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作成： 2001/1/26 海老原寛データ番号　　　：040222 放射線障害防止に関する主要法令目的　　　　　　：放射線障害防止に関する主要法令の解説概要　　　　　　：　わが国における原子力利用に関しては「原子力基本法」のもとに、「核原料物質・核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」及び「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」が昭和32年に制定され、それに基づく政令・省令・告示によって放射線障害の防止に関する規制が定められている。また、診療用の放射性同位元素等については「医療法」及び「薬事法」等に定められている。これらの法律と並行して作業者の身分によって、各省庁の定める規則(省令)等の規制を受ける。詳細説明　　　　：　原子力の研究・開発・利用を推進することにより、学術の進歩と産業の振興を図るとともに、人類社会の福祉と国民の生活水準の向上に寄与することが出来る。その反面、放射線は人体に対して放射線障害を引き起こす危険性を持っている。放射線障害の発生を最小限におさえつつ、それらの利用を推進する必要がある。したがって放射性同位元素等の利用に関して、厳しい規制を受けるのは止むを得ないことである。　わが国における原子力利用に対する基本的考え方を示した法律として、原子力基本法が昭和30年に制定された。この法律に基づき、放射線を出すものは、①核燃料物質・核原料物質、②放射性同位元素・放射線発生装置、③放射性医薬品、の三つの範疇に分類されており、それぞれの分類ごとに規制を定める法律がある。まず、ウラン・トリウム・プルトニウム等の物質及び原子炉に対する規制のために「核原料物質・核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(略称：原子炉等規制法)があり、またウラン・トリウム・プルトニウム及び放射性医薬品を除く放射性同位元素ならびに放射線発生装置に対する規制として「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」(略称：放射線障害防止法)がそれぞれ昭和32年に制定された。これら2本の法律にはそれぞれ施行令(政令)があり、それに基づいて各省庁で規則(省令)を定めている(図1参照)。図1　放射線障害防止関係法令　　原子炉等規制法関係では、①核原料物質または核燃料物質の製錬の事業に関する規則(総理府令・通産省令)、②核燃料物質の使用等に関する規則(総理府令)、③実用発電用原子炉の設置・運転等に関する規則(通産省令)、④核燃料物質等の事業所外における運搬に関する規則(総理府令)、⑤核燃料物質等車両運搬規則(運輸省令)など5本の規則がある。　放射線障害防止法関係ではまず、同法施行令(政令)に基づいて①同法施行規則(総理府令)、②放射性同位元素等の運搬の届出等に関する総理府令、③指定機構確認機関等に関する規則(総理府令)、④放射性同位元素等車両運搬規則(運輸省令)、⑤指定運搬方法確認機関に関する省令(運輸省令)、⑥放射性同位元素等の事業所外運搬に係る危険時における措置に関する規則(運輸省令)の6本の規則がある。なお④に定められていない航空機・船舶による事業所外運搬及び郵送については、放射線障害防止法の対象から除外され、航空法に基づく運輸省告示、船舶安全法に基づく運輸省規則、郵便法等に規定されている。　放射性医薬品及び放射線を出すものとして、医療法で定められている「放射線装置等」および臨床検査技師・衛生検査技師等に関する法律に基づく「検体検査用放射性同位元素」がある。放射線発生装置や密封放射線源及び放射性同位元素を専ら診療用に用いる場合は、医療法等の規制を受ける。医療法等で定められている放射線装置等とは、①診療用高エネルギー放射線発生装置、②診療用放射線照射装置、③診療用放射線照射器具、④エックス線装置、⑤放射性同位元素装備診療機器(薬事法)、⑥診療用放射性同位元素(薬事法)、⑦検体検査用放射性同位元素(臨床検査技師・衛生検査技師等に関する法律施行規則)、の7種類が定められており放射線障害防止法の分類と異なることに注意が必要である。　以上の法律は施設・設備・行為などについて規定しているが、これらと並行して放射線作業者の安全についての規則(省令)等が別の法律に基づいて作られている(図2参照)。　図2　放射線作業者の安全に関する規則労働者(国家公務員及び船員を除く)を放射線障害から防護するために労働安全衛生法に基づく「電離放射線障害防止規則」(労働省令)、国家公務員に対しては国家公務員法に基づく「職員の放射線障害の防止」に関する人事院規則、船員については船員法に基づく「船員電離放射線障害防止規則」(運輸省令)がそれぞれ定められており、作業者は身分により、これらの規則等にも従わなければならない。参考資料１ Reference 1：放射線施設の遮蔽計算実務マニュアル原子力安全技術センター参考資料２ Reference 2：最新放射線障害防止法令集第一法規出版(株) 参考資料３ Reference 3：アイソトープ法令集(I)　放射線障害防止法関係法令日本アイソトープ協会参考資料４ Reference 4：改訂3版　アイソトープ便覧 (株）丸善参考資料５ Reference 5：放射線障害の防止に関する法令　概説と要点日本アイソトープ協会参考資料６ Reference 6：放射線概論石川　友清　編 (株)通商産業研究所参考資料７ Reference 7：図解原子力関係法令集鶴田　隆雄　編 (株）通商産業研究所参考資料８ Reference 8：公務員健康安全法令集（財）日本人事行政研究所参考資料９ Reference 9：放射線障害防止法に基づく安全管理ガイドブック原子力安全技術センターキーワード：法律、規則、放射線、障害、防護、労働者、施設、設置、廃止 law, regulation, radiation, hazard、protection、worker、facility, establishment, discontinuance 分類コード：040107, 040207
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