放射線医療機器

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作成： 2000/03/27 遠藤啓吾データ番号　　　：030125 放射線医療機器目的　　　　　　：医療用の放射線機器について紹介放射線源　　　　：X線、ガンマ線、ベータ線、電子線利用施設名　　　：群馬大学医学部応用分野　　　　：医学、放射線管理、治療概要　　　　　　：　多くの医療機器を用いて放射線の医学利用が行われている。診断・歯科用X線装置、X線CT装置、放射線治療器、核医学装置、超音波画像診断装置、MRI装置、X線画像処理装置、ハイパーサーミア装置、結石破砕装置、医療情報管理システム(PACS)、診療用X線関連用品などである。放射線科医はこれらの放射線機器を駆使して、病気の診断、治療を行っている。そのためそれぞれの装置の原理と長所、限界をよく知っていなければならない。詳細説明　　　　： Ⅰ.X線診断装置(表1) 　原理：体内を透過したX線の強弱を濃淡画像として表示する。検査部位、目的に応じ造影剤を使用する場合もあり、フィルムあるいはTV出力として表示される。　特徴：画像診断では最も古い歴史を持ち、ほとんどあらゆる部位の検査に使用され、1回の撮影で全体像が把握できる利点がある。造影剤を使用した脈管系、消化管検査では特に威力を発揮し、DSA等、デジタル画像処理の発達により、最近はインターベンショナルラジオロジー(IVR)に不可欠となっている。表1　X線検査関連機器 ───────────────────────────────────────　　X線I・Ｉ装置シャウカステン・電動シャウカステン　自動現像機医用CRTモニター　暗室用機器マルチフォーマット・レーザイメージャー　明室化機器マルチフォーマットカメラ　X線フィルム複写装置（医用フィルム複写機）　医用X線増感紙 X線フォトタイマー（自動露出制御装置）　医用X線蛍光板 X線フィルム濃度計　X線用グリット X線装置校正装置　フィルムカセッテ X線撮影用ファントム　フィルム用ネームプリンタ造影剤自動注入装置 ───────────────────────────────────────　 Ⅱ.放射線治療装置　放射線治療機器は、外部照射装置と小線源治療機器に大別される。 1.　放射線外部照射装置は、体外に配置した線源から発生する放射線ビームを、目的とする照射範囲に絞り込み、体内の病巣を狙って照射するもので、X線、γ線、電子線が利用される。体表面の病巣や表面に近い浅在性病巣には電子線や低エネルギーX線が用いられ、身体深部の病巣には高エネルギーX線またはγ線が用いられる。直線加速器(ライナックまたはリニアックという)はマイクロトロン、ガンマナイフ、テレコバルト治療装置、ベータートロン、表在～深部治療X線装置等がある。このうち表在～深部治療X線装置(10～250kV)はすでに過去のものとなり、ベータートロンも製造が中止されている。特殊な施設でシンクロトロンやサイクロトロン等の大型加速器から得られる速中性子線、陽子線、重イオン線等の臨床応用が試みられている。 2.　小線源治療は針状、管状、または粒状の線源を、直接病巣に刺入、または病巣に接近して配置して照射するもので、コバルト-60、セシウム-137、イリジウム-192等の放射性同位元素から発生するγ線が利用される。小線源治療は、病巣に直接照射できるので線量集中性が優れている。遠隔操作式後装填法(リモートアフターローディング)の開発により、術者は看護婦の放射線被曝はは無視できるようになった。また細く柔軟なイリジウム-192線源による遠隔操作式後装填法の開発は、小線源治療の適応を拡大しつつある。 Ⅲ.核医学装置　原理：放射性同位元素(RI)で標識された薬剤(放射性医薬品)を注射し、病変部に集積した薬剤から放射されるγ線を体外から検出して画像を生成する。所定方向のγ線のみをコリメータを通してNaI単結晶のシンチレーターで光に変換し、多数の光電子増倍管で受光して発光位置およびγ線のエネルギーと光子数を検出する。SPECT(スペクト)装置とPET(ペット)装置に大別される。　特徴：代謝機能、血流情報など機能情報を画像として表示する点が大きな特徴で、がんの診断や心機能評価に使用され定量計測も可能。疾患に対し種々の放射性医薬品が開発されている。 Ⅳ.その他　X線CT装置、MRI装置などの大型機器、超音波診断装置の他、様々なX線関連機器が使用されている。　さらに表2のような放射線管理用機器も病院でも欠かせないものである。表2　放射線管理用機器 ──────────────────────── 　放射線管理用機器シンチレーション型線量計　 GM管型線量計　電離箱型線量計　フィルムバッジ　熱ルミネッセンス線量計（TLD）　ハンド・フットモニター　環境モニタガスモニタ排水モニタエリアモニタ ───────────────────────　コメント　　　　：　放射線医療機器を含めた医療用具全体の我が国における1年間の生産・輸入の合計金額は約1兆8300億円に達する。このうち輸入額は5012億4817万円なのに対し、輸出は2852億5781万円で、約2160億円の入超となった。なおこれらの医療機器は、日本医科器械商工団体連合会(日医器連)東京都文京区本郷3-39-15医科器械会館3F(電話03-3814-4301)、(社)日本放射線機器工業会(日放工)東京都文京区湯島2-18-12湯島KCビル4F(電話03-3816-3450)、(社)日本電子機械工業会医用電子機器委員会(日電工)東京都千代田区丸ノ内3-2-2東商ビル(電話03-3213-1075)加盟の会社などで取り扱っている。原論文１ Data source 1：医用画像辞典.東芝メディカル株式会社原論文２ Data source 2：新医療機器事典.(株)産業調査会事典出版センターキーワード：医療機器 medical appliances、X線診断 X-ray diagnosis、インターベンショナルラジオロジー IVR(interventional radiology)、放射線治療 radiotherapy、リニアック（ライナック） linac、放射性医薬品 radiopharmaceutical、放射線管理 radiation control 分類コード：030401, 030402, 030403, 030404
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