歯科用イメージングプレート法X線撮影装置

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作成： 1998/03/08 中瀬　泰然データ番号　　　：030096 歯科用イメージングプレート法X線撮影装置目的　　　　　　：歯科用イメージングセンサーを用いたデジタルX線撮影装置の紹介放射線の種別　　：エックス線放射線源　　　　：X線管、応用分野　　　　：医学、歯学、診断、非破壊検査概要　　　　　　：　イメージングプレートを用いて歯科用デジタルX線撮影を行うことにより、X線画像を直接CRT画面に表示し、画像処理を行うことによりその場で患者に病患部等の説明を容易にすることができる。また、画像転送により他の専門医の診断を仰ぐことができ診断をより正確にすることが出来るシステムであり、今後より一層の発展が期待できる。詳細説明　　　　：　一般的な歯科医療においては、写真フィルムを用いて口外法パノラマ断層撮影や口内法X線撮影が行われている。現在の医療におけるＸ線診断技術は非常な勢いで発達し、院内外との診断情報のネットワーク化が趨勢となりＸ線撮影のデジタル化が、歯科医療分野においても例外ではない。パノラマX線撮影を含む口外法撮影において、通常の銀塩フィルムの代わりに輝尽性蛍光体プレート(photostimulable-phosphor imaging plate-IP)を用いて間接的にデジタル化画像を得るシステムが開発された。また、固体撮像素子(charge coupled device-CCD)を使用した直接デジタル化画像を得るシステムも開発されている。最近口内法に使用できるような小型のIPを用いたイメージ読み取り装置も開発され、1997年に発売が開始された。ここではIPを用いた間接デジタル化画像を得るシステムについて紹介する。　口外法パノラマ撮影や口内法撮影装置は、図1a,b)に示すような従来の装置が使用可能であり従来の写真フィルムの部分にIPカセッテを装着して撮影する。図1c)に、IPに記録されたＸ線画像情報の読み取り原理を示す。図1　歯科用Ｘ線撮影装置　 a)パノラマ撮影用(定格出力90KV,10mA)　b)口内撮影用(定格出力70KV,15mA) (以上原論文１より引用)　c)IP記録の読み取り原理(原論文3より引用) 　 IPにX線が照射されると、蛍光体の電子がX線のエネルギーで励起され情報を記録する。このX線を照射したIPを続けてHe-Neレーザー光で照射すると一次励起された電子が二次励起され、その励起状態から蛍光を発して安定状態に戻る。この蛍光を検出してX線エネルギー情報として読み取りコンピュータで画像を再構成する。X線照射量と蛍光の発光量とが比例することからコントラストのある画像が得られる。この画像はデジタル画像であるために、その後各種の処理が可能となる。　このような処理で得られた断層方式パノラマX線画像を図2に示す。図2　断層方式パノラマX線画像　a)オリジナル画像　　b)周波数処理による強調画像（原論文2より引用）　2a)は、オリジナル画像であり、従来の写真フィルム図同等の特性を示している。2b)は周波数処理による強調処理画面であり、白線・歯根膜腔や歯牙充填物が明瞭に現れ、根尖の骨硬化像の観察も出来る。次に、口内法で得られた大臼歯部のX線画像を図3に示す。図3　大臼歯部のX線画像 a)オリジナル画像 b)単色カラーの強調画像（原論文3より引用）　3a)は、オリジナル画像であるが4倍に拡大してある。3b)は、特定のグレー階調値に色を付けることで、組織や同密度の領域を強調し、容易に見分けられるようにした画像である。　このように、IPを用いた歯科用デジタルX線装置は、細かい骨梁や歯槽硬線、歯根膜腔などの微細な構造物の診断に対する十分な空間分解能を持っていること、また、隣接面の初期齲蝕やわずかな海面骨の脱炭等微妙なコントラスト変化の診断に対しても、十分なコントラスト分解能を示すことも確かめられている。コメント　　　　：　デジタルイメージングシステムは、画像診断能の向上や被曝線量低減に有効であり、画像情報の保存、通信が可能であり画像情報の再現性が高いことも特徴である。CT,MRI,超音波等新しい画像診断装置のほとんどは、デジタル化されている。そこで歯科医療においても、X線画像のデジタル化は今後ますます推進されるものと思われる。原論文１ Data source 1：Ｘ線撮影装置㈱ヨシダ販促パンフレット原論文２ Data source 2：コンピューテッド・ラジオグラフィー大林　尚人東京医歯科大歯学部歯界展望別冊　歯科画像診断の最前線　pp.7-20,1997　(医歯薬出版) 原論文３ Data source 3：歯科用デジタルX線イメージングシステム「Degola」㈱モリタパンフレット参考資料１ Reference 1： Digital Imaging System [Digora]の臨床応用西村　光輔、白勢　康夫、米田　仗二、佐鳥　茂、飯塚　務、鹿島　勇神奈川歯科大放射線学教室日本歯科評論、No.652,183,1997 参考資料２ Reference 2：輝尽性蛍光体デジタルラジオグラフィーの現在櫻井　孝、鹿島　勇神奈川歯科大放射線学教室補綴臨床、30(3),p.311-319,1997 キーワード：デジタルX線撮影、degital radiography,イメージングプレート、imaging plate,画像診断、diagnostic imaging,口外法画像、extraoral imaging,口内法画像、intraoral imaging,輝尽性蛍光体、photostimulable phosphor,画像処理、image treatment,画像転送、image transfer 分類コード：030401,030103
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