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作成: 1998/05/06 佐藤 健児
データ番号 :030077
歯科におけるX線診断装置
目的 :歯科におけるX線検査法の種類と特徴の紹介
放射線の種別 :エックス線
放射線源 :X線管
応用分野 :歯科診療
概要 :
歯科におけるX線診断は一般医科と比べて頭頚部に限局されるため、その検査法は極めて特徴的である。そこで、歯科分野におけるX線検査法で使用する歯科用X線装置、パノラマX線装置、頭部X線規格撮影装置について説明するとともにX線撮影法としての口内法撮影、口外法撮影の2種について紹介する。
詳細説明 :
歯科におけるX線発生装置は歯科用X線装置、パノラマX線装置、および頭部X線規格撮影装置などある。しかし、実際に使用されているのは、歯科用X線装置と回転断層型のパノラマX線装置が大部分を占めているが、ここでは、上記3機種の特徴を説明する。
1. X線発生装置
1)歯科用X線装置
歯科用X線装置は、基本的にはX線発生部、コントロールボックス、アームより構成され、投影角度を三次元的にヘッドを動かして決める必要があるため、操作性の面から軽量・小型化されている。一般医療用X線装置と異なり、容積と重量の制約などによって光錐指示器や可動絞りを装備できないため、固定式の絞りが採用されている。また、歯科用X線装置では、使用管電圧において適切な焦点-皮膚間距離を保つためのスペーサーコーンまたは照射筒が取り付けられている、また、このスペーサーコーンは、X線の方向指示と照射野径の指標の役割もしている。
2)パノラマX線装置
パノラマX線装置は、回転断層パノラマX線装置と口内線源パノラマX線装置に大別される。回転断層パノラマX線装置は頭部の周囲をX線管球が回転する装置の総称で、断層撮影の原理を応用して歯・顎領域を1枚のフィルム上に写し出す装置である。日本ではこの方式のものが最も普及している。回転断層パノラマX線装置は、撮影機構の違いによって、�.僖鵐肇皀哀薀侫�-1軸回転、�▲僖離譽奪�スラジオグラフィ-2軸変換、��オルソパントモグラフィ-3軸変換、�ぅ┘螢廛愁僖鵐肇皀哀薀侫�-連続移動・中心軸スライド、に細分化される。この中で比較的良く使用されているのは、X線管とフィルムを同期して回転させる�.僖鵐肇皀哀薀侫�とX線管の回転速度を歯列の形状に合わせて変化させる��オルソパントモグラフィである。
口内線源パノラマX線装置では、口腔内にX線源を入れて口腔外にフィルムを置いて上下顎又は左右顎をそれぞれ別々に片顎ずつ撮影する。したがって、全顎を撮るためには2枚のフィルムが必要である。
3)頭部X線規格撮影装置
矯正歯科領域では、とくに歯・顎を含む頭部の経時的変化の正確な計測が必要とされるため、頭部固定用の規格装置(セファロアーム等)を装備した頭部X線規格撮影装置が使用される。この装置は焦点-被写体間距150cm、焦点-フィルム間距離165cmに固定されている。
2. X線検査法
歯科診療に必要なX線検査法は口腔内にフィルムを入れる口内法撮影と口腔外にフィルムを設定する口外法撮影に大別される。
1)口内法撮影
歯科でのX線検査では、検査の対象とそれ以外の歯や骨などの硬組織との重なりを避けることは非常に困難である。これを解決する一手段として口腔内にフィルムを置く口内法撮影方式が開発された。口内法撮影では、歯科用X線装置が使用され、撮影法としてはデンタル撮影法、咬翼法、咬合法がある。デンタル撮影法は、フィルム上に歯を等長に撮影するための方法であり、歯軸とフィルム面が形成する角度を二等分する線に垂直にX線を入射する二等分面法(等長法)と歯軸と平行にフィルムを固定して撮影する平行法がある。二等分面法は最も使用頻度が高く、歯科X線検査といえば通常この撮影方法をさす。 図1に二等分面法により撮影されたX線像の1例とそのために使用されたX線撮影装置の写真を示す。

図1 撮影 a)歯科用X線装置による撮影風景 b)二等分面法によるX線写真
平行法を採用するためには、口蓋あるいは口腔底が深い必要があり、咬翼法では、咬翼用フィルムを使用しその翼を口咬する必要があるため、日本人に不向きであること、および検査部位が限定されるため我が国では、多くは実施されていない。
咬合法では、フィルムは直接咬合されることによって固定される。下顎が検査対象の場合は唾石などの検査に利用され、上顎の場合には通常標準サイズのフィルムに入りきらないような比較的大きな病変の検査に用いられる。フィルムの固定を除けば二等分面法と同じ方法で撮影される
2)口外法撮影
口外法撮影は、口腔外にフィルムを置く撮影法であり、パノラマX線撮影法と頭部X線規格撮影法の2種がある。パノラマX線撮影法は、口腔全体だけでなく顎関節、上顎洞などの診断にも用いられ、口内法撮影による口腔全体の被曝線量より少ない被曝で撮影が可能である。その他に、斜位撮影法、側斜位、後頭-前頭位、後頭-オトガイ位、断層撮影法などがある。 図2に回転断層パノラマX線装置(オルソパントモグラフィ)とこの装置を用いて得られたX線像の1例を示す。

図2 撮影 a)オルソパントモグラフィによる撮影風景 b)オルソパントモグラフィによるX線写真
頭部X線規格撮影では、一定規格(幾何学的条件や拡大率)の再現性あるX線像を撮影する。その像中のトルコ鞍部、下顎頭等に計測点を決めて距離を測定し、経時的に位置や量的変化を測定する。頭蓋骨、上下の顎骨の成長・発育の形態学的研究や矯正治療の方針、治療結果の判定などに用いられる。
コメント :
最近では、歯科においてもフィルム以外の画像系を用いたX線ディジタル撮影装置が、口内法およびパノラマ撮影で開発されている。特に口内法に関してはそれらが市場に出回っており、センサーとしてはIP(Imaging Plate)、CCD(Charged Coupled Device)が利用されいる。幾つかの欠点はあるが、リアルタイムで画像が観察できることや患者被曝線量が低いことなどの利点があり、今後発展するものと思われる。このことからも、ディジタル装置については注意深い研究が必要であり、関係者は関心を寄せておくべきである。
キーワード:歯科X線撮影,口内法撮影,パノラマ撮影,口外法撮影,頭部X線規格撮影,dental radiography, intraora radiography, dental panoramic radiography ,extraoral radiography,cephalometric radiography
分類コード:030401,030103
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