古紙リサイクルのための脱インキ法の検討

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作成： 1997/03/14 伊藤　寿データ番号　　　：010046 古紙リサイクルのための脱インキ法の検討目的　　　　　　：古紙リサイクルのための脱インキ法の検討応用分野　　　　：古紙再生概要　　　　　　：　古紙リサイクルために、数種類のインクと塗料をそれぞれ組み合わせて印刷／コーティングされた紙からの脱インキ法の検討を行った。UV/EB硬化型樹脂で印刷やコーティングをしたものはリサイクルできないという一般的認識があった。この試験の結果、通常の条件で低級紙までは再生可能であり、さらに付加的な処理をすることで上質紙にまで再生できることがわかった。詳細説明　　　　：　 1.序論　本研究は、種々の樹脂で印刷、コーティングされた古紙の脱インキ法について検討を行った。古紙再生工程では、古紙に含まれるインキやコーティングを効率よく除去することが重要である。しかし、それらの種類や組み合わせによって除去法は変わってくる。除去法には浮上分離、クリーニング、分散や洗浄といった手法がある。古紙をパルプ化したときのインキやコーティングに由来する粒子の大きさは、各除去法の効率に大きな影響を与える。この特性を図1に示す。図1　Particle size removal efficiency. （原論文1より引用。　Reproduced by permission of TAPPI, 371-400, Fig.1(p.388), Copyright 1992, published in the International Printing & Graphic Arts Conference.）　この特性を考慮して、求められる再生紙のグレードになるよう各除去法を組み合わせて処理を行う。インキの除去率が低ければ板紙、壁材、天井用フェルト、天井タイルに、高ければナプキンやティッシュー、ノートなどの上質紙に再生される。上質紙への再生では、インキやコーティングの残留粒子の大きさや量が問題となる。粒径が約50μm以下では肉眼では粒子を確認できない。しかし、その残留濃度は紙の光沢度に大きな影響を与える。また、それ以上の大きさの粒子は紙の外観に影響を与える。一般的に粒径200μm以上の残留粒子濃度について、ティッシューグレードでは500ppm以下、上質紙グレードでは10ppm以下である。 2.実験と評価　　実験で用いた試料を表1に示す。ベースの紙は漂白クラフト紙である。試料は主に製品として実際に市場で流通しているインク／コーティングの組み合わせを用いている。表1　Raw material.（原論文1より引用。　Reproduced by permission of TAPPI, 371-400, Fig.4(p.391).） INKS COATINGS WATERBASE WATERBASE CATALYZED UV EB CARTONS/OFFSET SHEETFED UV EB FLEXO/GRAVURE WATERBASED PUBLICATION HEATSET L I F C K B J H D A G 　一般的な脱インキの工程は、まず古紙をパルプ状に分解して腐食薬などの試薬を添加する。そしてposiflowあるいはuniflowという遠心分離清浄装置(Beloit社の商品名)のいずれか適切な方を用いてクリーニングを行った後、浮上分離を行う。この装置は前者は比重1以上のもの、後者はそれ以下のものの分離に適している。インキやコーティングの種類、組み合わせによってはこれらの前に分散処理や洗浄処理を行う場合もある。前者はインキ粒子の機械的な分解であり、後者は150メッシュのタイラースクリーンを利用して逆浸透水で洗浄する工程である。実験ではそれぞれの試料について、ティッシューグレード、上質紙グレードへの適切な再生法を見いだすため、各脱インキ法での除去効率と組み合わせについて検討した。実験の評価は光沢度測定、イメージングアナライザーで測定した粒径50μm、200μm以上のインク微小片残留存率と0.04mm²以上の粒子の残存濃度で行った。　 3.結果　テストした試料について、各グレードへの再生に必要な脱インキ処理について表2に示した。表2　Deinking module.（原論文1より引用。　Reproduced by permission of TAPPI, 371-400, Tab.Ⅲ(p.387).） RAW MATERIAL SYSTEM FOR TISSUE ADDITIONAL EQUIPMENT FOR FINE PAPER A B C D F G H I J K L PDM+POSI+POSI PDM+POSI+UNI PDM PDM+POSI+UNI PDM+POSI+WASH PDM+UNI+UNI PDM+DISPERSION DISPERSION+PDM PDM+POSI PDM+POSI+POSI DISPERSION+PDM +DISPERSION+PDM +DISPERSION+PDM +POSI+POSI +DISPERSION+PDM MAY NOT BE POSSIBLE +DISPERSION+PDM +PDM +DISPERSION+PDM +DISPERSION+PDM +DISPERSION+PDM +DISPERSION+PDM The flotation unit listed is Beloit's PDM. The cleaners are Beloit's Posiflow (POSI) and Uniflow (UNI). 　試料はすべて低級紙までの再生が可能である。ティッシューグレードへの再生は浮上分離とクリーニングを含むシステムが必要であり、UVインキと水系コーティング(試料I)の組み合わせではさらに分散処理が必要である。上級紙への再生はほとんどの試料で、さらに残留粒子を分解、除去するために分散処理、浮上分離が必要である。例外として、ヒートセットインキ／水系コーティング(試料C)では分散処理は必要がない。また、水系インキ／水系コーティング(試料F)では、残留粒子がかなり小さくなるため洗浄処理でも十分に除去することができず、上級紙に必要な光沢度を得ることはできない。　再生工程において水系樹脂の存在はほとんどの場合、分散などの付加的な処理を必要とするが、必要のない場合も存在する。このように各樹脂個々の性質だけでなく、他の樹脂との組み合わせによる複合体としての性質も考慮しなくてはならない。コメント　　　　：　古紙リサイクル分野では、市場に流通する紙製品についてそれぞれ再生法が異なると考えられる。実際の製品ではインキ／コーティングの組み合わせはバラエティーに富み、またその含有物や紙の種類なども考慮すると無限に存在する。しかし、従来の製品のリサイクルの方法はある程度確立されている。　本研究では、EB、UV樹脂が用いられた新しい製品のリサイクルが目的であり、従来品との比較やそれらとの組み合わせについても良好な結果が得られた。原論文１ Data source 1： Deinking Trials for RadTech International John M. Ballbach Valspar Co.,Pittsburgh,USA 1992 International Printing and Graphic Art Conference,p371-400(1992) キーワード：リサイクル、脱インキ、紙製品、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂 recycle, deinking, paper products, UV curable resin, EB curable resin 分類コード：010301,010506,010106
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INKS	WATERBASE	WATERBASE CATALYZED	UV	EB
CARTONS/OFFSET SHEETFED UV EB FLEXO/GRAVURE WATERBASED PUBLICATION HEATSET	L I F C	K B	J H D A	G

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A B C D F G H I J K L	PDM+POSI+POSI PDM+POSI+UNI PDM PDM+POSI+UNI PDM+POSI+WASH PDM+UNI+UNI PDM+DISPERSION DISPERSION+PDM PDM+POSI PDM+POSI+POSI DISPERSION+PDM	+DISPERSION+PDM +DISPERSION+PDM +POSI+POSI +DISPERSION+PDM MAY NOT BE POSSIBLE +DISPERSION+PDM +PDM +DISPERSION+PDM +DISPERSION+PDM +DISPERSION+PDM +DISPERSION+PDM
The flotation unit listed is Beloit's PDM. The cleaners are Beloit's Posiflow (POSI) and Uniflow (UNI).