このような検討結果に基づき、DICBEAM QA100とQA300 の2種類のEB硬化型ラミネート用接着剤を開発した。ともに、一般用に使用できるが、QA300 はボイル・レトルト用にも対応できる。これらの接着剤は常温で20,000 cps程度の高粘度液体であるため、実際に均一かつ薄く(1〜3 g/m2)塗工するためには、70〜80度C に加温する必要がある。この接着システムには2液定量(主剤3/硬化剤1)混合供給装置を付したコーターラミネーターを使用する。コーター部はゴム、金属、ゴムの順の 5本ロールで、金属ロールは、高周波電磁誘導方式または温水循環方式で、加温できるようにしてある。EB照射装置は加速電圧150〜300kVの低エネルギー電子加速器を用いる。照射直後のラミネートフィルムでは剥離強度は最大値に達していないが、直ちにスリッティング加工しても、ロールがたけの子のようにずれていくテレースコープ現象は生じない。表2 に新規開発の接着剤システムと現行のシステムとを比較して示す。
サン
プル
C=C
濃度
mmol/g
NCO
濃度
mmol/g
OH
濃度
mmol/g
剥離
強度
g/15mm
ヒート
シール kg/15mmTg
℃
破断
伸度
%
破断
強度 kg/cm引張
弾性率
kg/cm2A1
A2
A3
A4
A5
A6
A7
A8
A9
0.6
0.8
0.6
0.6
0.6
1.1
0.8
0.4
0.2
0
0
0.2
0.4
0.7
0.4
0.4
0.4
0.4
0.9
0.7
0.55
0.45
0.4
0.3
0.4
0.7
0.9
50
30
115
120
120
95
100
70
50
1.1
1.3
2.0
2.1
2.2
2.2
2.1
1.5
1.4
9.0
13.0
7.1
10.3
18.3
21.3
15.4
-5.0
-
90
65
216
292
223
168
256
120
-
19
85
77
115
183
190
130
60
-
21
156
133
126
272
322
244
57
-
DICBEAM QA 現行 溶剤型 無溶剤型
硬化システム
不揮発分
エージング (ラミネート後の熟成) ラミネート強度 シール阻害
EB硬化 および イソシアネート 硬化 のデュアルキュア 100% (無溶剤)
不要 ○ ○
イソシアネート 硬化
40〜90%
要 ○ ○
イソシアネート 硬化
100% (無溶剤)
要 ○ ○