理事長挨拶  
 

平成25年6月に、理事長に就任いたしました岡田漱平(おかだ・そうへい)です。

 私は、これまで放射線利用の研究や、その技術的発展形である量子ビーム利用の研究等に携わってまいりました。平成23年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故の後、日本中の人々が直面した不安に対しては、放射線利用を専門としてきた者として、反省すべき点が多くあるのではないかと思っています。

 それは、もっと放射線利用と放射線についての知識の普及に努め、放射線を身近なものに感じていただいていれば、多くの地域の方々の不安を和らげ、風評被害の拡大を防ぐことができたのではないかという思いであります。

もとより、放射線に「良い放射線」と「悪い放射線」があるわけではなく、「良い悪い」はあくまで「使い方」と「量」の問題です。放射線は、正しい使い方と量を守れば、生活に密着した‘ものつくり’によって「暮らしに役立ち」、‘X線診断’や’放射線治療‘などによって「命を守る」ものになります。薬も「暮らしに役立ち」「命を守る」ものですが、適応症や量を誤れば命の危険にさらされることもありえます。英語では、放射線の量も薬の量もともに’dose‘といいますが、まさに上の事実をあらわした言葉といえましょう。

私ども放射線利用振興協会は、気持ちを新たにして、放射線の利用と知識の普及をさらに進めるため、産業界が、便利に、そして安全に、新製品開発、品質向上、評価試験などのため放射線を利用するお手伝いをさせていただくとともに、技術誌の刊行や、登録資格講習機関としての第三種放射線取扱主任者免状取得のための講習などを通して、放射線に関する知識の普及に努めてまいります。

放射線については、まだまだ「こわいもの」「とっつきにくいもの」という考えが根強くあるのも事実です。私どもは、事業の推進にあたり、根気強く丁寧な対応を心掛けたいと考えております。たとえば、放射線の有用な働きである「観る(原子・分子レベルで観察する)」「創る(ナノレベルで加工する)」「治す(細胞レベルで治療する)」を表現する文末のようなイラストを用い、親しみやすい説明に努めること、などです。

放射線・量子ビーム利用の普及・振興のお手伝いをさせていただいております当協会は、


O(お手伝いは) MO(もっと) TE(丁寧に) NA(何事にも) SHI(親切に)

(お・も・て・な・し)

をモットーとして事業を進めて参る所存ですので、今後ともよろしくご支援のほどお願い申し上げます。

 


理事長 岡田 漱平  
 

※上のイラストの著作権は筆者が所有しています。使用ご希望の方は放射線利用振興協会事務局までご連絡ください。