H.農作物・土壌等への応用


 
  1. 土壌粒子及び根の分布の可視化 (JRR-3, TNRF)

    土壌の異なった発育条件で育った樹木の幼苗の根を可視化観察。土壌の質、水分条件等によって可視化の難易が分かれることを確認し、根の可視化に適した条件の知見を得た。


  2. 植物中の水分動態の可視化 (JRR-3, TNRF)

    グラジオラス:撮影直前に新鮮な花穂を切り取り水分供給を絶った直後と1時間後の撮影をし、水分の分布を測定した。 ダイズ:株を抜き取って根を水洗し、根部と地上部を撮影した。根部の水分の分布は判別できなかったが、地上部は水分差を観察することができた。


  3. 植物を用いた水分分布及び含水量変化の解析 (JRR-3, TNRF)

    乾燥に弱いササゲと乾燥に強いササゲを水分量30%の土壌で2週間育成させた後中性子観察した。乾燥に弱いササゲの方が土壌の水分が多く残ったことから、水分の吸収能力が弱いことが分かった。


  4. ナシみつ症発生程度の異なる品種間および植物成長調節物質処理果実における中性子線投影像の差異化 (JRR-3, TNRF)

    みつ症の発生しやすい品種「豊水」、「17-26」、みつ症の発生しにくい品種「幸水」、「17-3」について幼果、収穫適期前、収穫適期の3回に分けてサンプリングした。2mm厚にスライスした試料の中性子線投映像を撮った。「す入り」又は「濃淡斑」を数値化して評価した結果、みつ症状が激しい果実ほど「す入り」又は「濃淡斑」が見られた。みつ症果実は水分保持能力の低下だけでなく細胞壁の崩壊のような質的変化が全体に起こっているという知見が得られた。


  5. 酒米における吸水パターンの解析 (JRR-3, TNRF)

    水稲3種(ひちた錦、山田錦、コシヒカリ)を対象として吸水パターンを、心白の有り無しに分けて、測定した。吸水パターンは水分分布の時間経過をグラフ化したもので、検討に有効な詳細なデータが得られた。


  6. 中性子測定によるリンゴ創作炭内部の組織観察 (JRR-3, TNRF)

    品種の異なるリンゴ炭について、中性子ラジオグラフィによる品種間の乾燥具合の差、及び乾燥度合いの異なるサンプルの3次元可視化解析を行った。炭化処理を施した後は繊維状の組織が残りおもしろい画像が得られ、品種による差、特徴が見つかった。


  7. 中性子ラジオグラフィーによる果樹類の水分分布の計測 (JRR-3, TNRF)

    カンキツの枝、キウイフルーツの枝、カンキツの接ぎ木に成功したサンプルと失敗したサンプルについて、水分分布を中性子ラジオグラフィにより観察した。試料を乾燥することで水分分布が見えてくること、接木の成否の判断が非破壊検査できることが分かった。


  8. バラの切り花における水分動態と日持ち性との関連に係る試験 (JRR-3, TNRF)

    バラ3品種の切り花について、活け水に挿した状態で時間変化を中性子ラジオグラフィで花と茎の水分含量を測定し、花の状態、吸水量と比較して、品種による特性を調べた。


  9. 農作物中の重金属の即発γ線分析 (JRR-3, PGA)

    北海道産3種類と佐賀産8種類の測定を行い、C,H,S,B,Cl,Kのピークが確認できた。点数(統計)を増やし、S/K-Cl/K,Cl/K-B/Kの2つの元素濃度分布図をプロットし、産地による分布の傾向に差が出た。産地特定システムの構築が期待できる。


  10. 地質試料等の多元素同時非破壊分析 (JRR-3, PGA)

    @ボロー川流域(モンゴル)、Aコピアポ(チリ)郊外の金精錬所、B日本の金鉱山周辺から採取した試料を即発ガンマ線分析にかけた。水銀が@の試料から71ppm、Aの試料から900ppm検出された。Bは検出されなかった。共通して一般の地質試料と比べて、ホウ素、カリウム、チタンが多く含まれていた。また、Cルソン島北部(フィリピン)Dカンボジアから採取した河川底質試料を測定。Cからは高濃度の水銀、ホウ素、カドミウムを、Dからは高濃度の水銀、ホウ素を検出した。本件の測定で、重金属のほか、環境への排出規制項目であるホウ素含有量が高いことが判明した。


  11. 有機塩素系農薬ドリン剤を吸着する活性炭の活性点となる活性元素の分析 (JRR-3, PGA)

    農薬ディルドリン剤をよく吸着する活性炭(木質系)とそうでない活性炭(ヤシガラ系)について即発ガンマ線分析で元素分析しその違いを調べた。H,B,Clの3つの元素に大きな差があった。


  12. 即発γ線分析法による農作物中元素濃度測定法の開発 (JRR-3, PGA)

    現在、国内外で食品中のカドミウム等の基準値の強化が検討されている。そこで、農作物・家畜飼料中のカドミウム等の無機元素濃度を迅速で高精度な測定をする非破壊分析法としてPGA法を試した。カドミウムの標準溶液を添加したダイズとコムギについて、PGAで計測したカドミウムのカウントと別途原子分光装置で定量した試料中のカドミウム濃度との関係を求めた。誤差が大きく、精度を向上す改善が必要である。