F. 中性子を利用した非破壊分析


 
  1. 中性子光学素子の元素分析 (JRR-3, PGA)

    プリズムシートを10枚及び30枚重ねた試料に中性子を照射し微量分析した。炭素、酸素、フッ素以外にも微量ながら水素、塩素が含まれていた。水分を吸着しにくい材質であることが確認できた。


  2. 光ファイバー素子の元素分析 (JRR-3, PGA)

    ファイバー素子の先端に発光体としてのホウ素とシンチレーターの混合物を付着した試料。中性子検出特性を実測するとともにホウ素の即発ガンマ線測定を行った。中性子照射に由来する信号は得られなかったので、発光体をBGA結晶に替え、かつ信号のバックグラウンドを低減した結果、中性子照射に由来するピークが観測できた。


  3. 遺棄化学兵器中に含まれる窒素・砒素系化合物の即発ガンマ線分析 (JRR-3, PGA)

    模擬試料に含まれる水素と窒素の成分比を変えて、水素と窒素のガンマ線ピークが干渉しないことを確認した。水素と窒素によるコンプトン連続スペクトルに隠れることなく、化学剤に含まれる成分のピークが検出できた。3.3mmの鉄板を試料と共に照射すると鉄からのガンマ線発生量が多すぎて窒素からのガンマ線を検出不可となり、鉄板を透しての検査は無理とわかった。


  4. コンクリート構造物塩害対策のためのコンクリート中塩分濃度の即発ガンマ線分析 (JRR-3, PGA)

    まず塩素イオン濃度の異なる4つのセメント試料について即発ガンマ線分析を行い塩素のカルシウムに対する重量比が塩素イオン濃度と比例関係にあることを確認した。次にコンクリートに含まれる塩素の即発ガンマ線分析を行い、塩分濃度分布が測定できた。


  5. 放射線ホルミシス効果を謳った化粧品の成分分析 (JRR-3, PGA)

    ホルミシス化粧品として売られている石鹸、ジェル、粉体、クリーム、及び一般の(非ホルミシス化粧品)泥パックの試料について、即発ガンマ線分析を行った。ホルミシス化粧品は全試料にGdとSmが高濃度で含まれており、非ホルミシス化粧品と比べて桁違いに高いことがわかった。


  6. 材料系及び生物系組成標準物質中の元素の非破壊分析 (JRR-3, PGA)

    産業技術総合研究所認証標準物質のうち窒化ケイ素セラミックス粉末、炭化ケイ素セラミックス粉末に対して即発ガンマ線分析を試みた。測定値は認証値と不確定さの評価の範囲内で一致した。


  7. ケイ素原料中のホウ素非破壊分析 (JRR-3, PGA)

    試料:ケイ素標準品、ホウ素ドープケイ素、太陽電池原料用ケイ素、およびホウ素標準品について、(感度向上のため)集光中性子ヒ゛ームを使用して、即発ガンマ線分析を行った。結果は溶液法に良く一致し、信頼性が得られた。


  8. ルテニウム金属中の塩素の非破壊分析 (JRR-3, PGA)

    ルテニウム金属試料は粉末及びバルク試料を用いた。測定には比較法と標準添加法の2つの方法で、標準試料として塩化アンモニウムを使用して、即発ガンマ線分析により試料の塩素濃度を測定した。双方の一致性の良い結果が得られ、誤差については標準添加法の方が1桁小さく、測定を増やせば更に精度が上げられることがわかった。


  9. 建築廃材処理物中の有害元素の探索 (JRR-3, PGA)

    木材などの建築廃材を加熱処理し粉末あるいは炭化した試料について即発ガンマ線分析を行った。含まれる微量元素について、処理プロセスの影響などの知見を得た。


  10. ホタテ貝殻粉末中の重金属の分析 (JRR-3, PGA)

    製品化するホタテ貝殻について重金属に対する安全評価のため微量分析を行った。試料はホタテ貝殻粉末と、比較のための石灰岩粉末で、CrやCdなどの毒性の強い重金属は特に検出されず、不純物が少ないことがわかった。


  11. 中性子遮蔽向け材料の微量元素分析 (JRR-3, PGA)

    ホウ素入り樹脂3検体とコンクリート3検体について即発ガンマ線微量分析を行った。定量解析の結果、μgオーダーの精度で分析できることが確認された。コンクリート骨材の特徴も得られた。


  12. Nal粉体材料及びNal(TI)結晶における不純物解析 (JRR-3, PGA)

    即発ガンマ線分析を行った結果、原料中不純物は問題ない量であり、現状の原料精製工程に満足できることが分かった。


  13. カーボン粉末中の不純物分析 (JRR-3, PGA)

    精製前の天然黒鉛を試料とし、製品の特性、品質確保・管理の目的で、金属不純物の分析を行った。K、Al、Hが多く検出されることがわかった。


  14. 花崗岩石材中の間隙構造および不飽和浸透流の研究 (JRR-3, TNRF)

    石に浸透する水の移動を中性子透過率分布の時間経過として測定した。石の内部間隙による石の劣化現象との関係を知る基礎データとした。 また、石の産地を判定するための即発ガンマ線分析を6産地の石について試行した。ホウ素および鉄のケイ素に対する比が産地判別に有効なことが分かった。


  15. 中性子による次世代半導体プロセス用極浅プラズマ・ドーピング層のホウ素の評価 (JRR-3, PGA)

    シリコン基板にホウ素を、プラズマドーピングしたサンプルとイオン注入したサンプルに熱中性子を照射し10B(n,α)7Li反応により放出されるα粒子のエネルギースペクトルを半導体検出器で測定した。α線ピークのエネルギーからホウ素の深さが評価できることが確認できた。


  16. 天然ボロンを使用した中性子フィルターの特性調査 (JRR-3, PGA)

    中性子フィルター(炭化ホウ素含有アルミニウム複合材料)について、炭化ホウ素の含有量を変数とし、即発ガンマ線分析装置の中性子モニターで中性子透過率を測定した。炭化ホウ素の濃度10%から60%の範囲で測定できた。


  17. 高性能中性子遮蔽材料の遮蔽性能評価 (JRR-3, PGA)

    ^10B濃度を調整したSiC−BNセラミックス粉末を樹脂で固め、透過中性子と試料厚みとの関係を評価した。その結果^10B濃度及びその吸収断面積から算出した値と良く一致した。


  18. 99mTcジェネレータ用Mo吸着剤のMo吸着能の直接観察 (JRR-3, PGA)

    ^99Moを吸着させた吸着剤(PZC,PTC)中のMo量の直接測定を即発ガンマ線分析により実施した。PZCへのMo吸着は、Clと置換して起こることから化学的な測定値との一致性が確認され、分析方法として成立することが確認できた。


  19. 食品中のホウ素の即発γ線分析の検討 (JRR-3, PGA)

    微量元素の分析が困難な元素もいくつかある。ホウ素もそのひとつで、生体、特に動物に対するホウ素の役割はあまり明らかにされていない。そのような役割を明らかにするために、ホウ素に対して高感度で、かつ、試料を溶液化する必要のない方法として、即発γ線分析法によるホウ素の分析を行った。多数の食品について、ホウ素濃度を測定することができた。


  20. タングステンブロンズ中の水素定量 (JRR-3, PGA)

    タングステンブロンズHxWO3 中の水素の動的性質を調べる上で、水素組成比x は重要なパラメータとなる。そこでPGA 測定を行い、その結果、作成した試料のx を正確に決定することに成功した。また、試料の加熱による脱水素の様子についても調べた。