B. 結晶構造、磁気構造


デモストレーション実験  
 
  1. 中性子産業利用促進のためのデモンストレーション実験(2) (J-PARC, iMATERIA)

    放振協では、「中性子ビーム実験代行サービス」を実施している。そのため、iMATERIAで測定したデータの精度などを確認するために本実験を行った。

  2. 中性子産業利用促進のためのデモンストレーション実験 (J-PARC, iMATERIA)

    放振協では、「中性子ビーム実験代行サービス」を実施している。そのため、iMATERIAで測定したデータの精度などを確認するために本実験を行った。

 

触媒  
 
  1. 新光触媒Tiドープカルシウムアパタイト中の原子位置の高精度中性子回折による解明 (J-PARC,iMATERIA)

    Tiドープカルシウムアパタイト結晶構造については、CaアパタイトのCaの約1割がTiに置き換わっていると推定しているが、Tiアパタイトは軽元素が多く、CaとTiの原子番号が近いため、X線回折では精密な構造解析は難しい。一方、中性子回折の場合、Caの散乱長は正であるのに対してTiの散乱長は負であるため、今回我々は、MLFのパルス中性と飛行時間(TOF)法による高効率で高精度な粉末中性子回折データを用いることで、Tiドープ前のアパタイトとド ープ後のアパタイトの構造の違いを明確にすることにより、Tiの置換サイトを同定する。


  2. 光触媒Tiアパタイトの構造 (JRR-3, HRPD)

    有機物を特異的に吸着する能力があるCaアパタイトCa10(PO4)6(OH)2にTiイオンをドープしたTiアパタイト粉末について中性子回折を測定し、Rietveld解析を行った。その結果(4hサイトでなく)4fサイトのCaがTiイオンに置換された可能性が高いことがわかった。


  3. チタニア光触媒の高活性化のための結晶構造の解析 (J-PARC, iMATERIA)

    窒化温度、熱処理温度等の製造条件を変えて試料を多数調製した。種類としては、水中で高い活性を示す比較用粉末、気相で高い活性を示す比較用試料、ナノ粒子、ナノシート、C-ドープナノシートに分かれる。実験は完了したようだが、解析はまだ構造に関して断定的な議論をすることはできるところまで進んでいないが、一部興味深い結果が得られたようである


  4. 排ガス浄化触媒材料セリアージルコニア化合物の結晶構造の精密化 (JRR-3, HRPD)

    試料の高分解能粉末中性子回折を2つの温度で測定した。回折プロファイルをリートベルト解析し結晶構造を精密化できた。温度による格子定数の差異を含む詳しい比較考察がなされた。

 
   
電池材料  
 
  1. リチウム二次電池正極材の精密構造解析 (JRR-3, HRPD)

    粉末X線回折と粉末中性子の併用によって、LixVO2の構造を精密に決定することができた。中性子の回折パターンのRietveld解析からは、Liのサイトと酸素空孔のサイトの存在が、X線回折パターンのRietveld解析からは、Vのサイトの存在が確認された。


  2. 充放電サイクルによるLi電池正極材の構造差異評価 (JRR-3, HRPD)

    容量劣化前後の正極シートの中性子回折測定を行った。50℃で120日保存、容量26%減にした劣化電池セルの正極シートは、回折プロフィルから、劣化していない正極シートと比べてサイト占有率、格子定数が異なっていた。


  3. Liイオン伝導体の精密構造解析 (JRR-3, HRPD)

    固体電解質中のリチウムイオンの挙動解明が目的。回折データをリートベルト解析して結晶構造を明らかにした。X線回折では困難であったリチウムの原子位置の決定ができた。


  4. リチウムイオン2次電池用負極材中のLi分布の精密解析 (JRR-3, HRPD)

    チタン酸リチウムLixTiO2の未充電試料(x=0)の粉末を調製し、一方x=0.5までLi充電した試料を調製した。粉末中性子回折測定を行い、Rietveld解析した結果、本材料の主相はアナターゼ型二酸化チタンの結晶構造を持つこと、x=0.5の充電状態ではアナターゼ型とは異なる結晶相の出現することがわかった。


  5. 中性子構造解析によるニッケル水素電池用高容量水素吸蔵合金の水素トラップ機構解明 (JRR-3,HRPD)

    試料は調製後粉末にして重水素を吸蔵させてバナジウム容器に入れ粉末中性子回折を測定した。回折パターンをリートベルト解析した結果、重水素化したサンプルは結晶構造を保ったまま重水素を吸蔵して格子膨張していること、重水素を部分的にトラップさせたサンプルは一部の相の重水素残存量が多いことがわかった。


  6. 固体酸化物型燃料電池材料の構造解析およびイオン拡散挙動の解明 (JRR-3, HRPD )

    固体酸化物型燃料電池( SOFC) の中温作動型空気極材料として期待されている(Ba0.5Sr0.5)(Co0.8Fe0.2)O2.33-δ(BSCF)について300, 720K で高分解能粉末中性子回折測定を行った。酸素拡散挙動について、リートベルト/MEM 解析を行い、温度が上がると異方的に広がる酸素サイトがあり、それが経路となって酸素拡散が起っていることがわかった。


  7. 中性子回折を用いた固体酸化物型燃料電池電解質材料の長期アニールにおける安定性の考察(JRR-3, HRPD )

    600℃、1000時間のアニールの前後のZr系電解質についてin situ高温中性子回折を行い、酸素挙動を考察した。(Zr, Y)O2-δは核散乱長密度分布にあまり変化はなかったが、(Zr, Sc, Ce)O2-δはアニールによって酸素の広がりが小さくなることが観察された。


  8. 中性子回折を用いた固体酸化物型燃料電池空気極材料の長期アニールにおける安定性の考察(JRR-3, HRPD )

    高純度原料を用いたLSCFは長時間(700℃,1000時間)のアニールによって酸素が更に安定なサイトへ移動するが、低純度原料を用いたLSCFはアニールによって酸素の安定性が変化しないことを示唆する結果が得られた。


  9. リチウム二次電池の正極材劣化機構の評価(1) (J-PARC, iMATERIA)

    初期品および3ヶ月高温保存品を3水準(0%,50%,及び100%)のSOCに調製した6試料について、iMATERIAを用いた粉末中性子回折を行った。リートベルト解析の結果、6試料についてピーク位置シフトの比較を詳しく行っている


  10. 高出力リチウム二次電池用正極材料の中性子結晶構造解析 (J-PARC, iMATERIA)

    試料の設置に関して、試料の充填高さは30mm以上が望ましいことに気が付いた。電気化学処理後の活物質の構造解析精度は、導電材やバインダ等の副成分の影響を受ける。そこで、結晶構造解析精度に対する導電材やバインダ成分の影響を調べるために、導電材やバインダ等の有無の条件を変えて粉末の回折データを取得した。これらの影響で活物質の構造解析精度は4桁までしか信頼できないことがわかった。また、充電前後で構造の比較を行う際には、十分な注意が必要であることもわかった


  11. 正極活物質構造解析からのアプローチによるリチウムイオン電池の耐久性の検討 (J-PARC,iMATERIA)

    リチウムイオン電池試作品を調製後、初期試料4個と保存後試料4個を用意し、それぞれ充電状態SOCを0%, 25%, 50%, 及び100’%に設定し、初期試料はSOC設定直後に、保存後試料は1週間高温状態に保存後、セルを解体し正極を取り出し中性子回折測定を実施した。リートベルト解析の結果、格子定数、Liの占有率、Mnの占有率は、初期試料と保存後試料の間でほとんど差がなく、SOCの増加に伴って、格子定数が小さくなり、Liの占有率は直線的に10%に向かって減少、Mnの占有率はほとんど変化しないということがわかった


  12. リチウムイオン電池用Ni系正極材料の構造解析と劣化機構解明 (J-PARC, iMATERIA)

    窒化温度、熱処理温度等の製造条件を変えて試料を多数調製した。種類としては、水中で高い活性を示す比較用粉末、気相で高い活性を示す比較用試料、ナノ粒子、ナノシート、C-ドープナノシートに分かれる。実験は完了したようだが、解析はまだ構造に関して断定的な議論をすることはできるところまで進んでいないが、一部興味深い結果が得られたようである


  13. 高容量Liイオン二次電池用正極活物質の結晶構造 (J-PARC, iMATERIA)

    固溶体系正極活物質15試料(Coと Liの置換量(濃度)を変えている)。格子定数を求め比較した


  14. 高出力リチウム二次電池要正極材の中性子結晶構造解析析 (J-PARC, iMATERIA)

    Li(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O2について、充電に伴う結晶構造変化を調べることを目的として、化学的Li抽出処理をし、充電状態の異なる粉末を用意して、回折測定を行った。回折ピークがシフトしていることから、Liが抜けるにしたがって結晶構造が変化していることが確認された。結晶構造の精密解析を行った。充電処理粉末および化学的Li抽出処理粉末についても有益な情報を得た


  15. 正極活物質構造解析からのアプローチによるリチウムイオン電池の耐久性の検討U (J-PARC,iMATERIA)

    実験用小型ラミネートリチウムイオン電池を多数製作し、0, 20, 30, 40, 75 および100%の充電をして74日間の高温保存後、分解し正極電極サンプルを取り出し、中性子回折実験を行った。前回の8日間の高温保存後の結果とほとんど変わりのない結果となった


  16. 熱CVD炭化処理によるリチウムイオン電池正極材料構造への影響 (J-PARC, iMATERIA)

    市販のコバルト酸リチウム材料とマンガン酸リチウム材料を1:1の割合で混合した材料をベースとし、試料1はベースにカーボンブラック5%添加したものを標準試料とし、試料2-4はベースをそれぞれ600℃、650℃、700℃の熱CVDの炭化処理を行い、カーボン成長を行った。600℃でCVD炭化処理した試料は標準試料の回折スペクトルと変わらずカーボン生成率が1%ながら導電性が大きく改善された


  17. Ex-situ中性子回折測定による車載用高容量電池電極材料の結晶構造解析 (J-PARC, iMATERIA)

    Li2MnO3を標準試料としてLi-Mn-Ni-O固溶体試料12種を用意し粉末中性子回折測定を実施した。結晶モデルを仮定してのリートベルト解析を行った。結果、R因子は10%程度で各結晶モデルは妥当であつたが、フィッティングの良し悪しを示すχ2値は8 ~ 30と大きく、解析精度が不十分な結果であった


  18. 固体酸化物形燃料電池への応用を目的とした 新規ガレイト系固体電解質の開発と結晶構造解析 (J-PARC, iMATERIA)

    Ln1+xM1-xGaO4およびLnM(Ga1-yMgy)O4を各単純酸化物あるいは炭酸塩を出発原料とした固相法によ り合成し、単一相あるいは比較的単一相に近い試料で導電特性が良かった試料について 中性子回折測定を行った。リートベルト解析では各構成元素の原子変位パラメータについて異方性を考慮して解析が行われた


  19. リチウム2次電池における活性物質の結晶構造解析 (J-PARC, iMATERIA)

    リチウムイオン電池におけるMn系正極材料の耐久性向上を目標とし開発を進めている。@活物質以外に正極材に使用されるアモルファスカーボン(導電材)およびポリフッ化ビニリデン(バインダー)が解析結果に与える影響の把握、ALiMn2O4における充電状態(耐久試験前)の結晶情報を取得、の2点を目的として実験を実施した。解析のけっか、活物質LiMn2O4における充電状態(耐久試験前)の結晶構造に関する知見を得ることが出来た


  20. リチウム電池材料:Li7P3S11の構造解析 (J-PARC, iMATERIA)

    固体内のLi伝導に関する知見を得るために、Li7P3S11とLi3PS4粉末の中性子回折パターンを測定した。Li7P3S11は対称性が低く解析が出来なかった。Li3PS4は対称性が高く、結晶性も良く明瞭な回折パターンが得られ、リートベルト解析結果が得られた。Li3PS4は4つのLiサイトがあり各サイトの占有率が0.2-0.7だった


  21. 次世代リチウムイオン電池用活物質の結晶構造解析析 (J-PARC, iMATERIA)

    LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2について粉末中性子回折測定を行った。結晶構造モデルを仮定して回折データについて結晶構造解析を行った。Co, Ni. Mn, Li, Oの原子位置を特定できた

 

 
 
磁気構造  
 
  1. 多成分系カルシウムフェライトの結晶構造解析 (JRR-3, HRPD)

    多成分を混合して調製したSFCAはX線回折で単相であることを確認。高分解能粉末中性子回折で得た回折プロファイルをRIET-FP によるfittingで詳しい結晶構造を決定した。


  2. 鉄スピネルの磁気構造およびFeサイト置換 (JRR-3, HRPD)

    BaCo3 Fe2O3を混合して調製し粉砕した試料をホルダに入れ中性子回折を行い回折プロファイルを得、RIET-FP を用いた解析により単位胞磁気モーメント方向およびFeサイトの磁気モーメントを含む構造変数を詳細に決定した。


  3. Y型六方晶フェライト結晶における2価金属イオン分布と電磁波吸収体との関係 (JRR-3, HRPD)

    遷移金属イオンの分布状態解明が目的。粉末試料を2.5-4.5gバナジウム箔製容器に入れ中性子回折実験を行った。4試料を実施。リートベルト解析。鉄とは異なる磁気異方性を有する2価金属の占有率によってフェライトの磁気特性が影響を受けることが分った。


  4. Mnフェライトの構造解析 (JRR-3, HRPD)

    試料にFe2+が存在しないようにMnの含有比を大きくした試料を用意した。10Kで中性子回折パターン測定。Rietan2000を用いてMn2+,3+とFe3+,2+についてA,B各サイトのイオン配置とイオン価数を解析した。Feプア組成のMnフェライトにおいてもFe2+がBサイトに存在することを示唆する結果が出た。非破壊測定が可能。


  5. 六方晶フェライトの磁気モーメントの温度依存性の解析 (JRR-3, HRPD )

    8~300 Kで測定した六方晶M型マグネトプランバイト構造を有するフェライトSr1-xLaxFe12-xCoxO19 (x=0, 0.20)の粉末中性子回折パターンをRietveld解析し,5種類ある各Fe3+サイトごとの磁気モーメントを求めることができた。


  6. iMATERIAによるM型フェライトの粉末中性子回析の研究 (J-PARC, iMATERIA)

    M型フェライトSrFe12O19の粉末中性子回折を行った。HRPD(JRR-3)の角度分散型とiMATERIAのTOF型の中性子回折プロファイルが比較された。解析はこれから


  7. Nd-Fe-B系焼結磁石におけるNd-rich相の中性子回折測定 (J-PARC, iMATERIA)

    この実験は、「Nd-Fe-B系焼結磁石におけるNd-rich相の高温その場中性子回折測定」を実施するための基礎データを得る室温粉末回折実験である.表記試料に対し焼結したまま、および450℃、550℃、700℃で時効処理した粉末について中性子粉末回折実験を実施した。回折プロファイルにはNd-Fe-B三元系とNd-Fe-B-Cu四元系で明瞭な違いは見られなかった。Nd-rich相の小さな回折ピークが観察され、高温その場測定でNd-rich相の相変態挙動をとらえる見込みを得た

 

 
 
原子力材料  
 
  1. ジルカロイ-2酸化膜中の水素の構造解析 (JRR-3, HRPD)

    Zr合金を高温の重水蒸気または高温のLiOD溶液中で完全酸化させた2粉末試料について中性子回折を測定し回折パターンをRietveld解析により構造解析を試みた。2試料の構造とその違いが明らかにされ、定量分析が可能であることが分かった。


  2. 原子炉用水素化物の結晶構造 (JRR-3, HRPD)

    Hf水素化物(主にδ相)、 Zr水素化物(δ相)について中性子回折を測定した。回折パターンから水素を含めた結晶構造の情報が得られることがわかった。


  3. Zr合金中水素化物の構造解析 (J-PARC, iMATERIA)

    Zr合金中に析出する水素化物の性状を把握することが目的。Zry-2板材をLiOD水溶液中で290℃×7日間腐食させ、水素を添加した。また、水素添加後の試料を様々な条件で熱処理した。これらの試料について、中性子回折試験を実施し、Zry-2中水素化物等に着目して結晶構造解析を実施し、次のことがわかった。@Zry-2中の析出物(t-Zr2(Fe,Ni)およびfcc-Zr(Fe,Cr)2)が検出、A 水素添加後試料では、いずれの場合もδ相Zr水素化物が検出、B水冷試料では、γ相Zr水素化物も検出、C水冷試料中におけるδ相Zr水素化物の格子体積は、水素添加まま試料に比較して約1.3%小さい

 

 
 
水素吸蔵合金  
 
  1. BCC固溶体型構造のTiVCrMo系水素吸蔵合金およびその水素化物の結晶構造解析 (J-PARC,iMATERIA )

    2種の試料について3水準の試験: 合金初期状態試料、重水素を十分吸蔵させた試料、重水素放出を20サイクル繰返した試料)を行った。それぞれの中性子回折プロファイルとリートベルト解析結果を得た。詳しい解析はこれからとしている。


  2. 実用的な超格子構造をもつ希土類-Mg-Ni-Al系水素吸蔵合金の合金相,水素化物相,及び水素吸蔵・放出サイクル後の相の結晶構造解析(J-PARC, iMATERIA) 

    3種類の水素吸蔵合金に関して,@水素吸蔵・放出サイクル前,A重水素を十分吸蔵させた後,B重水素吸蔵・放出を繰り返した後のそれぞれの状態の試料を測定した。解析中で、1の試料ではAの重水化相では結晶構造が膨張していることBのサイクル後では@の状態に近い状態に戻っていることを確認した。


  3. 超格子構造を有したPr-Mg-Ni系水素吸蔵合金およびその水素化物の結晶構造解析 (J-PARC,iMATERIA)

    水素吸蔵合金Pr2MgNi9, Pr3MgNi14およびPr4MgNi19の試料に関して、水素吸蔵・放出サイクル前、サイクル後、重水素化物の状態の中性子回折測定を行った。解析中だが、どの試料もサイクルの前後の構造変化はなく、重水素吸蔵後は相転移と思われる構造変化が起っているようだ。


  4. 水素吸蔵合金の結晶構造解析 (J-PARC, iMATERIA)

    水素吸蔵合金Pr0.6Mg1.4Ni4とPrMgNi4およびこれらの重水素化物の4試料について中性子回折を測定した。解析はこれから


 
   
その他  
 
  1. 中性子回折によるFe−Co−V合金の規則相の定量化 (JRR-3, HRPD)

    高飽和磁束密度の軟磁性材料Fe-Co-V合金を試験材料とし、鍛造材と熱間圧延材を用意した。鍛造材から中性子回折用試験片を採取し、熱間圧延材からは冷間圧延用試験片を採取した。中性子回折用試験片は4条件で熱処理し、粉末中性子回折を実施しRietveld解析した。双方の結果から規則相の割合と冷間加工性の相関を定量化できた。


  2. 快削性セラミック材料の結晶量評価 (JRR-3, HRPD)

    バナジウムセル(粉末試料)を回転させながら中性子回折強度の測定を行い、リートベルト解析した。マイカ結晶含有率が測定できることを確認。マイカ結晶とジルコニア粒子をホウ珪酸ガラスに混ぜて高温静水圧処理(HIP)を用いた結晶化した試料について回折ピークによる内部残留応力を評価。HIP処理圧力依存性はなく、HIP処理法が有効であることが分かった。


  3. 中性子を利用した肉盛溶接硬化層内部の構造およびひずみ解析 (JRR-3, HRPD)

    金属とセラミックスの溶接前の粉末と肉盛溶接後の肉盛溶接層について中性子回折プロファイルを測定した。溶接後のプロファイルにはピークが発生しており、熱履歴により新たな結晶構造が生成されていて、それが残留応力の発生に寄与しているものと考えられる


  4. 窒化物蛍光体の精密構造解析 (JRR-3, HRPD)

    回折パターンのRietveld解析を実施した結果、Si、Al、N、Oの占有率、精確な原子間距離の算出に成功した。発光中心であるEuの占有サイトに関連した取得情報と発光の波長および強度との相関傾向が確認できた。


  5. 中性子による軽水素有機化合物の構造解析検討 (JRR-3, TAS-1)

    軽水素有機化合物の構造解析のために、グルコースを試料として用い、弾性散乱回折、偏極中性子回折が有効であるかどうか検討した。偏極中性子回折を利用するとバックグラウンドを低減でき構造解析に有効であることが分かった。分解能、中性子強度が高ければ精度の高い構造解析が可能となる。


  6. 有機低分子結晶粉末構造解析 (JRR-3, HRPD)

    銅フタロシアニン(C32N8H16Cu)について粉末中性子回折を測定した。回折パターンはバックグラウンドが大きく、D置換なしでも水素の情報を反映したデータが得られた。


  7. ホウ素ドープダイヤモンド中のホウ素存在状態の評価 (JRR-3, HRPD)

    ホウ素の仕込み量の異なる3つのBDD薄膜をCVD法により作りバナジウムセルに充填し中性子回折を実施。ホウ素の取り込み量の増加に伴って格子間隔が広がることが示され、中性子回折はホウ素の取り込み量の評価に有効な手段となることがわかった。


  8. ホウ素系熱伝変換材料の結晶構造解析 (JRR-3, HRPD)

    ホウ素系熱伝変換材料の1つSrB6について中性子回折を実施した。Bは濃縮11Bを使用し、試料は真空中で混合溶解した試料(a)とその粉末を高温高圧で再焼結後粉末にした試料(b)を用意した。回折パターンはRietveld解析した。ゼーベック係数の小さい試料bは格子定数が小さく、Sr/ Bの比も大きいことがわかった。


  9. セメント結晶構造の分析技術の開発 (JRR-3, HRPD)

    ひび割れ界面に生成したセメント結晶を試料として粉末中性子回折を測定しRietveld解析した。成分分析ができた。


  10. Nd-Fe-B系合金の水素化-不均化-脱水素-再結合(HDDR)過程にともなう構成相変化のその場中性子回折測定技術の確立 (J-PARC, iMATERIA)

    Nd-Fe-B系合金粉末 @Nd13Fe80.5B6.5、ANd13Fe80.511B6.5、 BNd13Fe72.5Co8B6.5 を試料として用意し、粉末中性子回折実験を行った。陽子ビーム強度は120kW程度で測定時間は1時間とした。本番の測定は高温その場測定を予定しており5分の測定でどの程度のデータが得られるか予備実験をした。1MWの陽子ビームが得られれば高温その場測定が可能であることがわかった


  11. 不揮発性メモリーデバイス用SrBi2(Ta,Nb)2O9系強誘電体の結晶構造解析 (J-PARC, iMATERIA)

    SrBi2(Ta,Nb)2O9系強誘電体について強誘電特性をP-Eヒステリシス測定により調べた結果、(Ta,Nb)サイトをWとMoで部分置換することで残留分極が増加し、強誘電特性が改善することが明らか となった。粉末中性子回折を実施の結果同様な傾向を示すことから、強誘電特性が改善は構造の変化に起因することが確認された


  12. PbO-ZnO-B2O3系ガラスの中性子線構造解析 (J-PARC, iMATERIA)

    @PbO:Bi2O3:ZnO:B2O3:I=22.1:1.0:1.6:19.8:1.0 mol% (BPIガラス)、APbO:ZnO:B2O3 =65.0:5.0:30.0 mol%、BPbO:B2O3 =66.7:33.3 mol% の試料について中性子回折試験を行った。高いq領域を含んだ広範囲で精度の高い中性子構造因子プロファイルを得た。逆モンテカルロ計算で良好な再現性が得られた


  13. サイアロン蛍光体の結晶構造解析 (J-PARC, iMATERIA)

    u賦活βサイアロン蛍光体、Eu:Si6?zAlzOzN8?z (Z=0.05, 0.25) 、を試料として、粉末中性子回折実験を行った。発光中心のEuについては添加量が0.1質量%と少ない事やEuが中性子を吸収するためか明確なEuの存在を調べることはできなかった。


  14. 希土類酸窒化物蛍光体の構造解析 (J-PARC, iMATERIA)

    LaAl(Si5Al))(N9O)および同物質に0.1Ceを添加した試料の粉末を中性子回折測定した。解析の結果、格子定数が求められ3軸長のうち2軸長に差が見られた


  15. チタン酸リチウムの中性子回折 (J-PARC, iMATERIA)

    Li/Ti比の変化や雰囲気によって結晶構造が変化する可能性を検証するのが目的で、Li/Ti比=2.1, 2.2及び2.3、雰囲気としてアルゴン、水素、酸素で焼成した9試料について粉末中性子回折試験を行った。結果、トリチウム増殖材料として化学的安定性の高いLi/Ti比は2.2が、焼成雰囲気はアルゴンガスまたはLiと還元反応する水素が適していることがわかった


  16. アミノ酸・核酸類の中性子線結晶構造解析 (J-PARC, iMATERIA)

    測定時点でのJ-PARC出力は20kW程度で、最終的なスペックの約50分の1であった。また結晶自体の質もあまり良くなく、合計9個の結晶を試したが、反射がブロードニングしてしまい、良質な回折像は得られなかった。データ処理は極めて困難であったため、フルデータの収集は断念した


  17. 中性子構造解析による高品質有機非線形光学結晶の比較評価 (J-PARC, iMATERIA)

    試料として4-N,N-dimethylamino-4'-N'-methyl stilbazolium tosylate(DAST)結晶を用い、アニーリング結晶とリファレンス結晶を用意した。中性子回折実験を実施し、TOF回折パターンを撮り、データ解析し、ピークサーチ、結晶方位および格子定数の決定、指数付け、UB行列の精密化および反射強度の積分を行った。D=0..8Å程度の分解能の積分強度データ、格子定数、が得られた。これらを元に更なる構造解析を行い、評価する。


  18. アミノ酸・核酸類の中性子線結晶構造解析立 (J-PARC, iMATERIA)

    102時間のビームタイムで0.6Åの分解能の良質なデータを取得し、中性子構造解析に成功した。グルタミン酸のδカルボキシル基がプロトネーションされた状態になっており、隣接分子のカルボキシル基と強い水素結合を形成していることが確認された


  19. 単結晶フォトクロミック白金錯体の着色種の構造決 (J-PARC, iMATERIA)

    可視光照射で顕著なフォトクロミズムを示す白金錯体配位子の水素原子の正確な位置を決定することを目的として中性子回折測定を行った。可視光照射を30分行って結晶中に着色体化学種を生成させた後、iBIXの三軸型ゴニオメータの中心に結晶をマウントし, 吹付型低温装置によって試料を120Kまで冷却しゴニオメータの角度値を変えながら合計110セットの測定を行った。良好なデータが得られ、解析をさらに進めている


  20. 中性子線回折による酸素ポンプ素子(YSZ)の劣化過程の検討 (J-PARC, iMATERIA)

    酸素分圧制御装置は酸素イオン伝導体であるイットリア部分安定化ジルコニア管を酸素ポンプ素子(YSZ)として使用している。組成はZr:Hf:Y(0.869:0.011:0.120)である。粉末X線回折やSEM観察の結果を含めて比較検討を行った。中性子回折とX線回折の格子定数の解析結果に大きな差異があり、再実験の必要がありそうだ


  21. CO2を吸収したモノエタノールアミン水溶液の構造解析 (J-PARC, iMATERIA)

    N原子周囲の構造を選択的に導き出すことを目的としており、14Nと15Nの同位体分率のみが異なるMEA重水溶液にCO2を吸収させた2試料を中心に中性子散乱実験を行った。解析は14Nと15Nの差分により得られた干渉項をフーリエ変換して得られる差分動径関数を得、そのプロファイルからN-H, N-Cなどの分子内対や分子間対のピークを観察することができた


  22. ガスセンサ材料における結晶構造解析 (J-PARC, iMATERIA)

    SnO2及びSnO2にCeまたは/およびSbを添加した試料9種類を試料として粉末中性子回折実験を行った。一例として、SnO2中にCeとSbを添加した試料では、添加していない試料と比較して、低角度側へのピークのシフト、および、ピークのブロードニングが観測され、格子定数の増加と結晶子サイズの微細化が確認された。詳細な解析はこれから


  23. マグネシウム合金中の水素位置の特定 (J-PARC, iMATERIA

    金属の疲労破壊、遅れ破壊、(水素脆性破壊)の微視構造的確認の目的で、純マグネシウム(粉末、丸棒)、マグネシウム合金 (AZ31押出材丸棒,AZ61圧延材短冊,AZ411丸棒押出材:)を中性子回折試験を行った。AZ31丸棒の疲労試験では、回折パターンに変化は観察されなかったが、純マグネシウムでは疲労試験後にピークの幅がせまくなり格子定数の増加があった